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08.01
こっそりと。笑

再編集版です。

pixivにも投稿してます。
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08.01
県立某高等学校。

僕のクラスには、どうも折り合いの悪いふたりの女子がいた。

この話は、僕がふたりの女子生徒を喧嘩させようとした時のたわいもないただの話だ。

ひとりの名前は、堂本みさという。

少しパーマのかかった茶髪の髪型。ほっそりした体型で、一見大人しそうにみえる彼女だが、実はとても我が強く、口調も強い子であった。

普段、どんな生徒かというと誰かと一緒(同じ)に扱われるのどうやら嫌いらしく、よく学校指定じゃないジャージを着てたりして、あくまで僕の印象では、いわゆる「個性的」な子だった。

彼女は、クラスの中でも目立つタイプでいちいち騒がしく、正直僕はああいうタイプの女子は嫌いだ。

もちろん、僕みたいな陰キャラの男子とは無縁な人なのは言うまでもない。

そして、僕にはもうひとり気になる(嫌いな)女子がいた。

彼女の名前は、秋山みき。

こちらの子は、堂本よりも少し長い茶色の髪色をしている女子だ。体格は同じくほっそりした体型。ぱっと見、大人しそうに見える。だが、実際、この子もそうではない。話をしてみるとすぐにその印象は一変する。とにかく我儘。自分が中心じゃないと気が済まない「生意気」な女子であった。

もちろん、この子も僕なんかと違い、クラスでも特に騒がしい女子グループにいる。

正直、どちらの女子も僕はものすごく嫌いだった。

でも、そんな嫌いな二人だからこそ、僕はいつも以上にある興味が湧いていた。

おっと、僕の話は置いておいて。

このふたり。

同じクラスではあるが、一緒にいる女子のグループも違うこともあり、喋っている所を僕はまだ一度も見た事がない。

ふたりともグループ内では、他の女子をよくいじったり(苛めではない。)、からかったりしている会話からすると、なんとなくグループの中心人物なんだろうと思う。

同じグループにいたらどうなるんだろ。きっとお互いに邪魔になるのかな?と僕は、机に伏せながら勝手に妄想を膨らましていく。それに付け加えて、背格好も性格もきっと同じようなふたりが、大きな衝突もなく日々の学校生活を過ごしている事に、僕は愕然として打ちひしがれていた。

(このふたりが喧嘩したり、物凄く険悪になればいいのにな…)

そんなある日。

朝のSHRが始まる前の事だった。

いつものように机に寝そべり廊下に顔を向け、登校してくる同級生達をボケーっと眺めて、いつものように人間観察をしていると、堂本が登校してきた。

友達A「おはよ!‥え、みさ!どうしたの!?髪!かわい~!!」

友達B「なになに?みさ髪切ったの!?似合う似合う!」

友達C「キャー、可愛すぎる!」

堂本と同じグループの女子達が駆け寄っていった。

かけていたパーマを落とし、ばっさりと髪を切ったショートカットの堂本を取り囲み、騒ぎはじめたのだ。

(髪切ったくらいで、朝からうっせーんだよ、ブス共がっ!)

‥なんて事は口には出せないのだが、僕は心の中でそう叫んだ。そして、再び廊下に視線を戻す。すると今度は秋山みきが登校してきた。

僕は、一瞬目を疑った。

(ん?‥こ、これって‥!)

教室に入ってきた秋山に向かって、今度は秋山のグループの女子達が駆け寄っていった。

友達D「みき!髪切ったの!?」

友達E「めっちゃ似合ってるじゃん!可愛い!」

友達F「え、失恋でも‥した?www」

僕は、もう心の中でガッツポーズをしていた。

(もしかするとこのふたり、もしかするかもしれない‥)

長かった茶髪の髪をばっさりと切り、ショートカットになった秋山。堂本のグループの反対の教室の隅で騒ぎ始める。

(チャンス到来‥)

ふたつのグループをクラスメイトにバレないようにニヤニヤと僕は見ていた。

するとチャイムが鳴った。少しすると担任が教室へ入ってくる。ふたつのグループのせいで騒がしかったクラスだが、生徒達は一斉に自分の席へと移動を始めた。

輪の中の中心であった堂本と秋山も同様に自分の席に戻ろうと移動をはじめた時だった。

僕は、見逃さなかった。

堂本と秋山がちょうど同じ通路(机と机の間)を通って、席に戻ろうとした瞬間を。

ふたりは、お互いに目線を外さずに会話も笑いもしなかった。

(僕は、これを待っていたんだ)

それからというもの髪を切ったふたりの関係に変化が起き始める。

僕の想いが届いたのかふたりの関係が少しづつ悪くなっていった。
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